2018/3/9
愛するペットの終活について
ペットの終活というと愛犬や愛猫などの葬儀やお墓を連想する人が多いが、
一方で気になるのは飼い主の高齢化に伴ってペットの世話ができなくなった場合の対応だ。
ペットも大切な愛する家族のかけがえのない家族の一員です。
もしも死んでしまったら丁寧に供養したいと考える人が増えています。
もし愛するペットが飼育できなくなって場合の対応は?
高齢夫婦や高齢のおひとりさまがペットを飼っているケースは多い。
前述の全国犬猫飼育実態調査では「あったらいいと思う飼育サービス」について、「高齢で飼育不可能な場合の受入施設提供サービス」「飼育が継続不可能な場合の引き取り手斡旋サービス」などが上位に入った。
高齢の飼い主の不安を映しているようだ。
かわいがっていたペットを飼い続けられなくなった場合、どうしたらよいのか。
まずは自分で引き取ってくれる人や施設などを探すのが基本だろう。施設は保護施設や老犬ホーム・老猫ホームなどが候補だろうか。
東京キャットガーディアン(東京・豊島)は、行政から引き取った猫の譲渡や新たな飼い主とのマッチングの場である「保護猫カフェ」の運営などを手掛けるNPO法人だ。
JR大塚駅から徒歩5分ほどのビルにある保護猫カフェでは、天窓から日が降り注ぐ広いスペースに多数の猫がおり、走り回ったり、寝息を立てていたり。
東京キャットガーディアンの保護猫カフェ。猫たちが新しい飼い主を待っている
同法人は個人から有償で猫を引き取り、再譲渡する事業を15年11月から実施している。
「ねこのゆめ」と名付けたこのシステムの費用は1頭27万3600円(税別)。
健康に問題がなく、譲渡の見込みが高い3歳以下なら16万3000円(同)で引き受ける場合もある。
月3800円で6年間といった積み立ても可能。その場合は満期後に猫を引き取る。
「高齢や病気で飼うのが難しくなった人の利用が多い。65歳以上が6~7割を占める」と山本葉子代表は話す。
これまでねこのゆめで引き取ったのは約120頭。新たな飼い主に引き渡すのが基本だが、譲渡できない場合は同法人の施設で終生飼育するという。
飼い主向けの保険や信託、じわり広がる
こうした飼い主の不安にこたえる金融商品もある。
アスモ少額短期保険(東京・渋谷)は飼い主の死亡時や入院時などにペットを施設に入居させたり、預けたりする費用を支払う保険を販売する。
名称は「ペットのお守り」(期間1年)。飼い主が死亡した場合は愛犬や愛猫などを託せる身内の人に最高300万円の死亡保険金を払い、その金額をペットの施設入居費用などに充ててもらう。
15年4月の発売以来、契約件数は約200件になる。ペットの内訳は猫が6割、犬が2割とのことです。
60歳女性が保険金額300万円(入院日額5000円)で加入する場合、月額保険料は3892円になる。
90歳まで更新可能だが、年齢が上がれば原則保険料も上がる。「施設に心当たりがない場合などは老犬ホームや猫の保護施設の運営会社を紹介する」(業務統括部)という。
信託制度を使って新たな飼い主にペットの世話をしてもらうサービス
まず委託者である飼い主が、家族や友人など信頼できる人を受託者として信託契約を結び、財産を専用口座に預ける。その後、飼い主が死亡したり施設に入ったりしてペットの面倒が見られなくなった場合、あらかじめ決めておいた新たな引受先にペットを引き渡し、受託者は専用口座から飼育費などを新たな飼い主に払う。
行政書士らでつくるファミリーアニマル支援協会(福岡市)は、12年9月から「ペット信託」と名付けて手掛ける。
「最初は高齢の人が対象だと思っていたが、現在は40~60代も多い。
成立件数は6年で40件ほど」と代表理事の服部薫氏。受託者や新たな引受先は委託者である飼い主が原則見つける。どうしても引受先が見つからなければ、協会が見学に行ったことがある施設を紹介する場合もある。
本部は福岡だが、各地に会員がいるので東京など他の地域からの相談にも対応できるという。
引用元:日本経済新聞