テーマ・「混合介護」って、どういうもの…?
2000年に始まった介護保険制度も創設から20年以上が経過した。 2000年4月末時点では、2,165万人だった65歳以上の被保険者数は、2019年4月末に⇒3,528万人と約1.6倍に増加している。 高齢者が増えたことで、要介護(要支援)認定者やサービス利用者も増加。 同時期で比較すると、認定者数は3倍、サービス利用者数も約3.3倍に膨らんでいる(※厚生労働省・介護給付費分科会第176回(R2.3.16)「介護分野をめぐる状況について」資料1より)。 今や、介護保険は、高齢者の介護になくてはならない必要不可欠な制度といえる。一方、国の介護給付費は増すばかり。 それを抑制するため、公的介護サービス費の厳格化も進められている。 そして近年、注目を集めているのが、介護保険サービスと介護保険外サービス(以下、保険外サービス)を組み合わせて提供する「混合介護」である。 今回は、そんな混合介護の現状やメリット、デメリット、保険外サービスの実態についてご紹介しよう。
「混合診療」という言葉を聞いたことがあっても、「混合介護」を知らない人は多いかもしれない。
前者は、医療において、公的医療保険が適用になる保険診療と適用外の自由診療を同時に行うこと。
日本では、原則として、混合診療は禁止されています。
ただ例外として、先進医療(評価療養)や差額ベッド代(選定療養)、患者申出療養など、国が定める所定の医療等に関しては、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われ、残りは「保険外併用療養費」として公的医療保険から給付が行われる。
介護の「上乗せサービス」をどううまく使うか…?
混合介護は、そんな混合診療の介護サービス版のようなものだ。 つまりは、国の介護保険給付で行われる介護保険サービスと自費による保険外サービスを組み合わせて利用すること。 混合診療が原則禁止の医療に対して、混合介護は禁止されておらず、より柔軟な対応が取られている。 例えば、在宅介護サービスは、要支援・要介護度に応じて支給限度額が定められている。 要介護3の場合、⇒1ヵ月270,480円(単価=10円)が上限で、この金額(単位)までであれば1~3割の自己負担で、訪問介護や訪問看護、通所介護(デイサービス)、短期入所生活介護(ショートステイ)といった介護保険サービスが受けられる。 ただ、この限度額を超えてサービスを受けることもでき、その場合は、全額自己負担となる。これが「上乗せサービス」と呼ばれるものだ。さらに、移送サービス(介護タクシー)や配食サービス、家事・買い物代行、病院への付き添い、見守りサービスなど、介護保険では提供できない・していないサービスを追加することも可。こちらも全額自己負担で、「横出しサービス」といわれる。
いずれも、介護保険サービスと併せて利用することもでき、費用に関しても、自治体によっては、独自の判断で「上乗せサービス」に給付を行ったり、横出しサービスを無料あるいは割安に提供したりしている場合もある。
矛盾だらけだった介護制度
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