配食サービスで失敗しない選び方 介護の専門家が教える3つのポイント
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by 佐々木 政子
2023年1月22日
毎日3食、自分で食事を用意するのは大変です。
高齢の方となるとより大変さが増します。
健康面に問題がある方やフレイルのことを考えると食事はおろそかにできません。
そんな時の助けになるのは配食サービスです。
いざ利用しようと思っても、配食サービスを担っている会社はたくさんあるので、
「どこからどう選んでよいのか困ってしまった」
という方も少なくないのではないでしょうか。
配食サービスの選び方について、介護の専門家が実践している選び方を紹介します。
目 次
配食サービスを選ぶ際のポイント
配食サービスは、自宅までお弁当を届けてくれるサービスです。地元の仕出し等を行っている会社や全国展開をしている会社など色々あります。
配食サービスを選ぶ基準は次のような点です。
①お弁当についての選択ポイント
・減塩食・腎臓病食や糖尿病食等の特別な食事への対応
・一口大や刻み食等の食事形態の工夫への対応
・お弁当の容器が大きすぎず、直接レンジで使用可能かどうか
・おかずのみの注文が可能かどうか
②配達時の選択ポイント
・配達時、在宅の場合は手渡しを行う等の見守りサポートの有無
・緊急時や前回のお弁当がそのまま残っている等の時に、家族に連絡が来る仕組みの有無
・土日祝日の配達の有無
・保冷・保温容器の無料貸し出しの有無
③その他の選択ポイント
・利用料金の引き落とし対応の有無
・週何日利用しなければならない等の利用条件の有無
・注文やキャンセルは何日前までに必要か
※一人暮らしか、昼・夕食ともに利用するのか等それぞれの状況によって、必要な条件は違ってきます。
配食サービスを利用する上で、ここは外せないというポイントを踏まえ、選びましょう。
配食サービスを比較してみよう
次に代表的な配食サービスを3つ見ていきます。
宅配クック 123 | ワタミの宅食 | 食宅便 | |
配食形態 | 配達 | 配達 | 冷凍による宅急便 |
特別な食事への対応 | カロリー・塩分調整食
たんぱく・塩分調整食 透析食 消化にやさしい食あり |
平均食塩相当量1.5グラム以下のコースあり | カロリー制限
たんぱくケア 塩分ケア 腎臓病用やさしいおかずあり |
食事形態の工夫 | 柔らか食・ムースセット食あり
おかゆ・刻み食に対応 |
食べやすさに配慮したお弁当あり | やわらかい食事コースあり |
申し込み可能単位 | 1食単位 | 1食単位 | 8食コース
7食単位コース 4食以上単位コースあり |
配達可能日 | 正月3が日のみ休み | 商品によって異なる | 特に制限なし |
配食可能な食事時間 | 昼食 夕食 | コースによって異なる | 制限なし |
料金 | 540円~ | 390円~ | 配送料390円~
単品500円~ コース3,920円~ |
参照 | 株式会社シニアライフクリエイト | Watami Co., Ltd. | NISSIN HEALTHCARE FOOD SERVICE CO., LTD. |
宅配クック123は、様々な特別食や食形態の工夫ができる点が魅力です。
ワタミの宅食は、野菜の副菜やカットフルーツ、サラダ等のサイドメニューも注文できます。
食宅便は、冷凍で1週間分が届きます。
その中から、その日の気分によってメニューを選べます。
ヘルシー丼のコースもあるので、冷凍食品のストックとしても活用できます。
利用する上での注意点
配食サービスは、食事という生活していく上で欠かせない行動を支えることができますが、利用する上で何点か注意点があります。
冷凍で1週間分届く業者もあるので冷凍室の確保
食べ残した物を何日もとっておく方がおられるので、冷蔵庫内のチェック
お弁当が、水平に入る手提げ袋等を用意したり、食事をとる場所まで安全に移動できるように、環境整備が必要
お弁当は、玄関先や玄関を入ってすぐの所に置かれることが多く、足元が不安定な方は、片手にお弁当を持って移動すると、転倒リスクが高くなります。安全に移動するためです。
キャンセルをする場合は何日前までに伝える必要があるかを確認
トラブルがあると面倒に感じて利用をやめてしまいます。
長く続けていく為に、配食サービスを上手く生活に取り込んでいけるようにしていきましょう。
介護負担の軽減には有効
配食サービスを利用する上でのポイントとしては、それぞれのご家族で、配食サービスに求める条件は違います。
食事は、高齢の方にとって楽しみの1つでもあるので、配達された食事が楽しみになるようなサービスを選ぶことをおすすめします。
食事制限や食形態の制限がある方の食事作りは大変です。
総菜を利用することも難しいので、息抜きや介護者の体調不良時に提供する食事として、冷凍のお弁当を常備しておくのも1つの手段です。
食材料費だけでなく労力についても考えて配食を利用するメリットを考えてみると、配食の利用も介護負担の軽減には有効です。
高齢者の食の自立支援事業として、一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯を対象として配食サービスによる支援事業を市区町村が行っている場合があります。
利用条件に当てはまる方は、検討してみてください。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)