「介護認定」されなくても使える介護サービス まずは地域包括支援センターに相談を

コラム

シニア 介護

2023.9.8 Fri 8:382023.9.10 Sun 19:00

佐々木 政子

佐々木 政子

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家族が高齢になってくると、だんだんと体力が落ちてきていると感じたり、買い物や掃除などの援助が必要になってきていると感じることがあります。

まだまだ要支援や要介護の状態には当てはまらないからといって、介護サービスを利用できないと思っているのではないでしょうか。

今回は、そんな時にピッタリの介護予防・日常生活支援総合事業を紹介します。

「介護認定」されなくても使える介護サービス

目次

まずは相談!

介護予防・日常生活支援総合事業は、「総合事業」とも呼ばれています。

総合事業は、要支援1、2に認定された方や基本チェックリストを受けて事業対象者となった方が対象の事業と、65歳以上の高齢者の方を対象とした事業があります。

参照:厚生労働省 基本チェックリスト(pdf)

基本チェックリストは、外出や買い物といった日常関連動作や運動器機能、栄養状態、精神的な状態などをチェックできるようになっています。

要介護・要支援に当てはまらなくても事業対象者に当てはまれば、デイサービスや訪問介護に似たサービスを受けることができます。

総合事業のサービスを利用することで、専門家の人にリハビリを受けてみたい、掃除ができなくて困っているので一緒に掃除をしてほしいと言った日常の困りごとを解決することができます。

また、一人暮らしの方などは定期的に人とかかわることで、身体的・精神的な弱りが起こっていないか等の他者の目でのチェックができます。

基本チェックリストを受けたり、総合事業のサービスを受けたい・知りたい方は、お住まいの地域包括支援センターに相談する必要があります。

受けられるサービスのタイプと費用は?

事業対象者となった場合に、受けられるサービスは、自宅を訪問し掃除や洗濯などの支援を行う生活援助や入浴や着替えなどの身体介助が提供される訪問型サービスや施設に通い食事や機能訓練が提供される通所型のサービスがあります。

参照:津市 介護予防・日常生活総合事業について

訪問型サービスには、介護保険事業者の資格を持つヘルパーが生活援助と身体介助を提供するタイプと、委託事業者の市区町村が実施した講習の受講者が提供する生活援助のタイプの2つがあります。

参照:岩沼市 岩沼市介護予防・日常生活支援総合事業(pdf)

通所型サービスには、施設で機能訓練や食事などが提供されるタイプと食事や入浴の提供がなく、身体の機能低下を防ぐ運動や交流を目的とするレクリエーションが提供されるタイプがあります。

参照:鈴鹿亀山地区広域連合 介護保険課(pdf)

回数や時間に制限あり

回数や時間、内容の制限があり、金額もそれぞれ変わってきます。

例えば、施設に通うタイプの通所型サービスの場合、事業対象者では、週1回しか利用できません。

・ 自己負担割合が1割の方の場合

月5回利用 1か月 1,672円

月4回までの利用 1回につき 384円

このほかに、自費で食費がかかってきます。

また、身体介護と生活援助が提供されるタイプの訪問型サービスの場合、事業対象者は、週1回しか利用できません。

・ 自己負担割合が1割の方の場合

週1回程度の利用 1か月 1,176円

施設に通うタイプの通所型サービスは、利用する施設により内容が異なります。

どういった内容になっているのか、施設の担当者や地域包括支援センターに確認しましょう。

事業対象者と要支援1の方の金額的な負担は変わりません。

週1回ですが、介護予防について専門的に実施されている施設に通ったり、専門的な考えから提供される身体介助や生活援助を受けられることはとても良い刺激になります。

日々の生活に介護予防の要素を取り入れていけるきっかけになるでしょう。

また、週1回決まった用事ができることで日常に張りが生まれます。

他者と触れ合うことで、楽しみも持つことができます。

参照:岩沼市 岩沼市介護予防・日常生活支援総合事業(pdf)

さらにチェックリストに当てはまらない場合はコチラ

体力の衰えなどが気になるけれどチェックリストにも当てはまらない

そのような場合はどうしたら良いのでしょうか。

基本チェックリストで該当するところがない場合、ひとまず今は外出が1人ででき、身体的・精神的に気になる機能低下が起こっていない状態と言えます。

その場合は、今の状態を自分で長く保つ為の努力が必要になります。

その時に役立つのが、総合事業の中の65歳以上の高齢者の方が誰でも参加できる「一般介護予防事業」です。

一般介護予防事業では、高齢者の方が参加できる介護予防教室や介護予防の出前講座などを介護予防普及啓発事業として行っています。

開催場所は、地域のコミュニティセンター等です。

東京都目黒区の例

目黒区の例をみてみますと、

≪介護予防まるごと教室≫

対象 区内の65歳以上のかた

定員 各20人程度

参加費 無料

持ち物 水・お茶などの飲み物 タオル マスク

内容 自宅で手軽にできる体操や脳トレ、栄養や口腔機能の講演

参照:目黒区 一般介護予防事業 介護予防まるごと教室

介護予防の運動や脳の活性化に関する教室を行い、高齢者の方が自分で介護予防を続けていけるようにすることを目標としています。

もちろん、介護予防には日々の食事の栄養や口腔機能の維持も重要ですので、その内容も含まれる場合もあります。

参加費無料で行われており、身近な公的な施設で開催されることが多い為、参加しやすい行事と言えます。

運動習慣や脳を活性化させる習慣など、生活に根ざし、繰り返していかなければならないことから、何回も繰り返し参加できる教室の方が良いです。

1回行って内容が合わなかったなどがあったとしても、次の回では内容が変わり自分の生活に取り入れやすい運動や脳の活性化の内容が実施されることもあります。

また、地域で作られたオリジナルの体操や100歳体操を取り入れた市区町村や地域住民が主催した体操教室などが、公民館などで行われている場合もあります。

生活習慣に運動などを取り入れたとしても、毎日同じことをすると飽きてしまいます。

いろいろなところの体操教室などに参加してみることをおすすめします。

介護に頼らない状態になることも目標

総合事業のサービスは介護予防の面が強く、やがてサービスを卒業し日常生活を送る上で介護に頼らない状態になることも目標の1つです。

通所型サービスに通っている間に自宅でできる運動や運動量の目安などを専門家に聞き、マスターしておくと自宅にいながらでも体を動かすことができます。

訪問型サービスの場合は、ヘルパーさんとともに、転倒の危険のない掃除が簡単にできる部屋への環境整備を整えておくと良いです。

高齢者の介護は介護保険だけではありません。

要支援などに認定される前に、総合事業のサービスの利用も検討してみてください。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)

https://manetatsu.com/article/2023/09/10/448040.html
より転用させて頂きました.

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